Yamamoto's Laboratory
 
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研究 加速器 理論 進行波加速管: カップラー

進行波加速管カップラー概要

進行波加速管のカップラーについて説明します.

目次


外部Qとマッチング

マッチング条件

等価回路からの計算

進行波加速管のカップラーの設計では,KEK: 肥後先生の「ディスクロード型加速構造のカプラーマッチングに関する簡単な等価回路解析」が参考になります.このノートに, \begin{align} Q_{ext} = \frac{4}{\sqrt{3}}\frac{(1-\kappa/2)}{\kappa} \label{eq:Qext_higo} \end{align} が示されています.ここで,\(Q_{ext}\) は,加速管とマッチングする導波管とカップラー空洞の外部Qの値です.\(\kappa\) は進行波加速管の結合係数です.これは,表示便利な式でとても有用です.肥後先生は,等価回路を用いて式\eqref{eq:Qext_higo}を導いています.

この式を導く過程では,加速管の分散関係 \begin{align} &\left(\frac{\omega}{\omega_a}\right)^2 = 1 - \kappa\cos\phi&\label{eq:dispersion} &\phi=k_zD& \end{align} が使われています.ここで,\(\omega\) は加速管を伝わるRFの角周波数,\(\omega_a\) は加速セルの固有周波数,式から\(\pi/2\) モードの周波数と考えても良いです.\(\kappa\) は結合係数,\(\phi\) は進行波のセル当たりの位相変化,\(k_z\) は進行波の波数,\(D\) はセルの長さです.

エネルギーの流れからの計算

等価回路とは別に,RFのエネルギーの流れから計算する方法もあります.ここで,ちょっと異なる式を別の方法で導くことが出来たので,忘れないうちにメモします.

カップラー空洞でマッチングが取れるという条件を考えます.図1 のように,カップラー空洞は導波管と進行波加速管との間に挿入される共振器で,それらの結合を調整する役割も果たします.重要なことは,導波管から送られた電磁波がカップラー空洞を介して加速管に効率よく(反射無く)伝わることです.その条件は,導波管 — カップラー空洞とカプラー空胴 — 加速管で外部Qが一致することです.すなわち, \begin{align} Q_{ext\,wg} = Q_{ext\,acc} \end{align} です.後で示すように,導波管とカップラーの外部Qは容易に計算可能です.カップラーと加速管の外部Qの計算方法が問題です.ここでは等価回路の代わりに,エネルギーの流れから計算します.外部Qは,カップラー空洞の蓄積エネルギーと加速管に放出されるエネルギーの比から求められます.すなわち, \begin{align} Q_{ext\,acc} = \frac{\omega U}{P_{acc}}=\frac{\omega U}{v_g(U/D)}=\frac{\omega D}{v_g} \label{eq:Qext_energy} \end{align} です.ここで,\(v_g\) は加速管を伝わる進行波の群速度,\(D\) はセルの長さ (ディスク間隔) です.群速度は加速管の分散関係から, \begin{align} v_g = \ddiffA{\omega}{k_z}=\frac{\kappa \omega}{2}\frac{D\sin\phi}{(1-\kappa\cos\phi)} \label{eq:v_g} \end{align} 求められます.この式を式\eqref{eq:Qext_energy}に代入する.加速モードは \(\phi=2\pi/3\) とすると, \begin{align} Q_{ext\,acc} = \frac{\omega D}{v_g} = \frac{2}{\kappa}\frac{\left[1-\kappa\cos(2\pi/3)\right]}{\sin(2\pi/3)}=\frac{4}{\sqrt{3}}\frac{(1+\kappa/2)}{\kappa} \label{eq:Qext_yamamoto2} \end{align} となります.等価回路の肥後先生の式\eqref{eq:Qext_higo}と,ちょっと異なります.理由は不明です.

図1: 導波管とカップラー空洞,進行波加速管

ディスク穴径やディスク間隔が変化する場合

進行波加速管の場合,ディスク穴径が少しずつ変化します.これは,先に示した外部Qがセルごとに変化することを意味します.この変化が大きいと,そこで反射波が発生します.そのため,通常の進行波加速管の設計では,ディスク穴径の変化はそれほど大きくしません.レギュラー加速管では,ディスク穴径をゆっくりと変化させます.

バンチャー加速管では,ディスク穴径(\(2a\))とセル長(\(D\))の両方を調整する必要がります.この場合,外部Qの変化を抑えることが重要です.すなわち,式 \eqref{eq:Qext_energy} や式 \eqref{eq:Qext_yamamoto2} で示す外部Qがセルごとにほぼ一定となるように調整します.

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