Yamamoto's Laboratory
 
環境設定
  仮想環境
 
プログラム作成
  書き方
 
 
 
 
tkinter
 
 
 
 
 
 
コンピューター Python 環境設定:仮想環境

Python環境設定: 仮想環境設定方法と使い方

conda を使った仮想環境について,説明します.仮想環境を使う理由,設定方法,使い方について述べます.

目次


なぜ,仮想環境か?

今時,Python を使う場合,仮想環境はぜひとも使いたい機能です.Python は急速な勢いで進化しています.そのため,とても多くのライブラリー (モジュール) が供給さてています,ライブラリーのバージョンアップの頻繁です.下手にバージョンアップすると「昨日動いたプログラムが今日はエラーを吐いて停止する」ということが有ります.また別のプログラムでは,最新のライブラリーを使いたいことも有ります.仮想環境を使うと,このような問題を解決できます.ライブラリーやそのバージョン,Python のバージョン,その他をひっくるめて,ひとつの環境にできます.ユーザーのプログラムに応じた環境を作ることにより,先の問題の解決を図ることができます.ユーザーは自分のプログラミに応じた環境をいくつも作ることができます,

仮想環境を使うメリットは,ライブラリーの数を制限できます.exe 化されたファイルを軽量化するときに,とても役立ちます.

Linux を使っている人には,大きなメリットがあります.仮想環境を使うと,システムが使っている Python と衝突 (コンフリクト) が起きなくなります.システムの Python のライブラリーのバージョン変更/削除すると,システムが動作しなくなることがあります.仮想環境を使うと,システムが使っている Python に触れないで 自分の思い通りの Python 環境を使うことができます.

仮想環境を作成する方法

ANACONDA の元,conda コマンドを使って仮想環境を構築します.以下が具体的な手順です.

  1. まずは,今ある仮想環境を調べます(省略可能).
    conda info --env
  2. 新規に仮想環境を作成します.
    conda create --name new_env python=3.7 -y
    これで,新規の環境「new_env」が出来上がります.この環境には「python ver 3.7」の最新がインストールされます.最後のオプション「-y」はインストール中の質問に自動的に「yes」と答えます.python は後からインストールすることもできますが,必須なので環境を作るときにインストールすることを勧めます.
  3. 作成した仮想環境をアクティブにします.
    conda activate new_env
    仮想環境がアクティブになると,プロンプトに仮想環境名が表示されます.
  4. 仮想環境に含まれるパッケージを表示します(省略可能).
    conda list
  5. パッケージをインストールします.例えば,numpy のインストールは以下のようにします.
    conda install numpy
    このようにバージョンを指定しない場合は,インストール可能な最新がインストールされます.インストール可能なバージョンは「conda search numpy」で確認できます.そして,「conda install numpy=1.16」のようにします.インストールされるバージョンに従い,他のパッケージのバージョンも調整されます.

以上で,ANACONDA での仮想環境が作成できます.環境ができると,フォルダー(ディレクトリー)「.envs」以下にその仮想環境の設定ファルが出来上がります.

仮想環境から抜けるには「conda deactivate」とします.すると,デフォルトの仮想環境「base」に移行します.

仮想環境の保守

環境の複製

仮想環境の複製が作れると便利です.複製された仮想環境を元に,パッケージを追加し目的の仮想環境にします.また,仮想環境を作る時の設定ファイル (*.yml) を使うと,他の人に環境を渡すこともできます.

  1. 複製元の仮想環境に入ります.
    conda activate new_env
  2. 仮想環境の情報をファイル (YAML) に吐き出します.
    conda env export > new_env.yml
    この YAML のファイルがあると,いつでも元の環境に戻すことができるので便利です.また,他の人に環境を渡すときにも使えます.
  3. YAML ファイルを使い,新しい環境を作成します.
    conda env create --name new_env_copy --file new_env.yml

その他

作成した仮想環境を保守 (メンテナンス) の方法を示します.

  • パッケージの最新にアップデート
    conda update パッケージ名
    途中のバージョンにしたい場合は「conda install パッケージ名=バージョン」とします.
  • 仮想環境の削除
    conda remove -n 仮想環境名 --all

仮想環境のためのコマンド

以下は,よく使う仮想環境のためのコマンドです.

コマンド 動作
conda info -e 作成済の仮想環境の確認
conda create -n 環境名 新規に仮想環境を作成する
conda activate 環境名 仮想空間を入ります (アクティブにします).
conda deactivate 仮想空間から抜ける
conda list 仮想環境に含まれるライブラリーのリストを表示します.
conda search パッケージ名 パッケージをインストールします.
conda install パッケージ名=バージョン パッケージをインストールします.
conda update パッケージ名 パッケージをアップデートします.パケッケージ名を指定しないでオプション「--all」とすると,全てがアップデートされます.
conda remove -n 環境名 --all 仮想環境を削除する

ページ作成情報

参考資料

更新履歴

2021年07月10日 ページの新規作成


no counter