Yamamoto's Laboratory
 
基本
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

サービスの選択

OpenAI には複数のサービス(ChatGPT の Chat,Work,Codex,API)があります.それぞれには,向いている作業や使い方の特徴が異なります.それを表1にまとめます.会話を通して考えを整理するなら Chat,資料の作成など一連の仕事を依頼するなら Work,コードの変更や実行結果を確認しながら開発するなら Codex が目安です.自作のプログラムに AI の機能を組み込む場合は API を使います.

Work と Codex には共通する機能があり,Codex でも調査や文書の作成ができます.成果物を中心に確認したい場合は Work,コードの差分など技術的な詳細まで確認したい場合は Codex,という使い分けができます.詳しくは,OpenAI 公式の利用ガイドを参照してください.API は,プログラムから AI を利用するための窓口です.例えば,自作アプリから文章を送り,要約や回答を受け取って表示できます.API を使う場合は,認証やデータの送受信などをプログラムに実装します(API のスタートガイド).

機能名や表示場所は,アプリの版,契約プラン,組織の設定によって異なります.

サービス(Chat, Work, Codex, API)の違い
選択肢 向いている作業 使い方の特徴 具体例
Chat 質問,考えの整理,短い文章の推敲 会話を重ねて内容を詰める. 「この用語を初心者向けに説明してください」「この文章を短くしてください」と質問・依頼する.
Work 調査,データ分析,文書やスライドの作成 完成形を伝え,成果物を得る. 売上データを渡してグラフ付きの報告書を作る.会議の資料から説明用のスライドを作る.
Codex プログラムやデータ解析,文書作成 プログラムの動作を伝え,実行可能なソースコードを得る. 様々なコンピュータープログラムの作成.数値解析と作図(プロット)などのデータ解析.LaTeX 原稿の作成からコンパイル,PDF の作成.WEB ページの HTML・CSS の作成・修正.
API 自作アプリや業務処理への AI の組み込み プログラムからAIのモデルを呼び出す. 自作アプリに,文章の要約や問い合わせへの回答機能を組み込む.

プロンプト・プロジェクト

プロンプト(質問,指示)の書き方

意図した情報(回答)や作業結果を得るためには,必要な情報を過不足なく伝えることが重要です.プロンプトを作成する際には,以下の点に注意します.

  • 質問内容(話題)や作業内容が変わると,新しいチャットを作成します.同じ作業を続ける場合は,元のチャットを開きます.後述するプロジェクトを活用すると,関連する会話や資料を整理しやすくなります.
  • 対象ファイル,目的,制約,出力形式を伝えます.ファイル名だけを入力しても,そのファイルへアクセスできるとは限りません.
  • 長い会話では,過去の内容が要約されることがあります.重要な条件は指示ファイルやプロジェクトの資料にも残します.

プロジェクト

プロジェクトは,同じテーマのチャット,資料,共通の指示をまとめる作業場所です.新しいチャットでも共通の資料と指示を利用できるため,背景や回答形式を毎回説明する手間を減らせます.研究,文書作成,定例会議など,継続する仕事に向いています.

何が便利か

プロジェクトを使うと,以下のような利便性があります.

  • 資料を共用できる:参考文献や用語集を登録し,複数のチャットで利用できます.
  • 指示を共通にできる:「専門用語はこの用語集に合わせる」などの約束を,プロジェクト内のチャットに適用できます.
  • 作業ごとに会話を分けられる:「構成の検討」「データの分析」「原稿の推敲」を別々のチャットにし,同じプロジェクトにまとめて管理できます.

基本的な使い方

ChatGPTでの使い方は,以下の通りです.

  1. 左サイドバーのプロジェクトの横の記号: + をクリックします.
  2. 「実験報告書」など,目的が分かる名前を付けます.
  3. プロジェクトの指示欄に,共通の条件を登録します.例:「日本語で簡潔に説明する.数値には単位を付ける.不明な条件は推測せず確認する.」
  4. 資料(Sources)に,共通で使う参考文献や実験条件などを追加します.その回だけ使う資料は,個別のチャットに添付します.
  5. プロジェクトの中で新しいチャットを始め,今回の作業を依頼します.後日,同じ作業を続けるときは元のチャットを開き,別の作業なら同じプロジェクト内に新しいチャットを作ります.

例:議事録作成なら,プロジェクトに議事録の書式を登録し,会議ごとにメモを渡します.次回は,前回の議事録も資料として指定して「前回の宿題と今回の進捗を整理してください」と依頼できます.LaTeX の技術文書でも,参考文献や用語を共用しながら,章ごとに推敲のチャットを分ける使い方ができます.

メモリーとの関係

プロジェクトが資料や会話をまとめる場所であるのに対し,メモリーは過去のやり取りから有用な情報を今後の会話に生かす機能です.利用する場合は「設定」の「カスタマイズ(Personalization)」で確認します.過去の会話を全て正確に覚える保証はないため,必ず守る条件はプロジェクトの指示に,確定した結果は資料に残し,参照するファイルを指定します.

なお,パソコン上のフォルダーを直接編集するローカルプロジェクトとは,ファイルの渡し方が異なります.ChatGPT のプロジェクトに登録しただけでは,パソコン内のフォルダーにアクセスできません.詳しくは次節のディレクトリーとファイルを参照してください.

公式資料:プロジェクトとチャット,メモリー.

ディレクトリーとファイル

作業フォルダーを選ぶ

  • ローカルのファイルを編集する場合は,プロジェクトを作り,対象のフォルダーを追加します.既存のプロジェクトでは,プロジェクトのメニューから編集します.
  • 依頼前に,どのフォルダーを開いているかを確認します.必要なら「現在の作業ディレクトリーと,編集対象のファイルを示してください」と依頼します.
  • 対象を狭く指定します.例えば「basic/index.html の本文だけを編集し,共通 CSS は変更しないでください」と伝えます.
  • 元データ,解析コード,図,原稿を分けると,更新対象が明確になります.
report/
  AGENTS.md          作業上の指示
  README.md          再実行の方法
  data/              元データ
  scripts/           解析・作図のコード
  figures/           作成した図
  main.tex           LaTeX 原稿
  build/             PDF などの出力

相対パスと作業場所

相対パスは,基準となるディレクトリーからの位置です.「.」は現在の場所,「..」は一つ上です.以下は PowerShell で作業場所を確認・変更する例です.

Get-Location
Get-ChildItem
Set-Location 'R:\comp\OpenAI\basic'
Set-Location ..

ターミナルで移動しても,アプリに登録したプロジェクトのフォルダーが自動で切り替わるわけではありません.WEB 版にファイルをアップロードした場合も,パソコン上の元ファイルが自動で上書きされるわけではありません.

ローカル・クラウド・Worktree

作業環境の違い
環境ファイルの扱い
ローカル 指定したパソコンのファイルや,利用可能なアプリ・コマンドを使う.
クラウド サーバー側の作業環境を使う.必要な資料をアップロードするか,接続したサービスから渡す.ローカルのパスを指定するだけでは読めない.
Worktree Git の別の作業用コピーで変更する.元の作業と分けて試し,確認後に変更を取り込む.Git リポジトリーが必要.

ローカルを選んでも,AI の処理を全てオフラインで行うという意味ではありません.「どこにあるファイルやツールを使うか」の選択です.実行場所の選択,Worktree の説明を参照してください.

特殊ファイルと設定ファイル

以下は主に Codex のローカル作業で使うファイルです.ChatGPT の WEB 版に同名のファイルを置くだけで,同じ規則が自動適用されるわけではありません.

主なファイルと用途
ファイル 用途・置く場所
AGENTS.md 日本語で書ける作業指示.プロジェクトのルートなどに置き,文字コード,編集範囲,確認方法を記載する.
AGENTS.override.md 同じ場所の AGENTS.md に代わる指示.一時的な例外に使う場合は,終了後に扱いを見直す.
SKILL.md 繰り返す作業の手順.スキルのフォルダーに置く.先頭に name と description を記載する.
~/.codex/config.toml Codex のユーザー設定.モデルやツール接続,権限などを設定する.
.codex/config.toml プロジェクト単位の Codex 設定.信頼したプロジェクトで読み込まれる.
README.md 人と AI が参照する作業の説明書.入力データや再実行コマンドを記載する.
.gitignore Git で管理しないファイルを指定する.AI の読み取り権限を制限する設定ではない.
.env 環境変数を保存する慣例的なファイル.API キーなどを含む場合は公開しない.プログラム側の読み込み処理が必要.

AGENTS.md の書き方

全体の好みは ~/.codex/AGENTS.md,個別の約束はプロジェクト内に記載します.Codex はプロジェクトルートから作業ディレクトリーまでの指示を重ねて読み,より近い場所の指示が優先されます.各場所では override が通常のファイルより先に選ばれます.Git ルートなどが見つからない場合は,現在のディレクトリーが探索対象になります.

# この WEB サイトでの作業

- 本文は日本語で,句読点は「,」「.」を使う.
- 既存ファイルの EUC-JP と改行を維持する.
- 依頼されたページだけを編集する.
- 見出しの ID と目次のリンクを一致させる.
- 編集後にリンク先と PHP の構文を確認する.

これは掲載用の例です.実際に使う場合は,自分の作業に合わせてファイルを作成します.AGENTS.md の探索規則を参照してください.

スキルと config.toml の使い分け

スキルは「どう作業するか」,config.toml は「どの設定で動かすか」を記述します.例えば,解析から LaTeX のコンパイルまでの手順はスキルに,利用するモデルや権限の既定値は設定ファイルにまとめます.

---
name: latex-report
description: 測定データから LaTeX 技術文書を作成・更新する.
---

1. 入力データの単位と欠損値を確認する.
2. 解析コードと図を保存する.
3. 原稿に図と解析条件を記載する.
4. 指定のコマンドでコンパイルし,PDF を確認する.

プロジェクト内のスキルは .agents/skills/latex-report/SKILL.md などに配置します.Windows の既定の ~ はユーザーフォルダーで,通常は C:\Users\ユーザー名 です.WSL は別のホームを持ちます.スキルの作成,設定ファイルの説明を参照してください.

アプリの機能を選ぶ

サイドバーの機能と,設定画面の項目は役割が異なります.以下は目的から選ぶための目安です.表示されない項目は,WEB 版とデスクトップ版の違いや,利用条件を確認します.

画像

  • 作りたい図柄,用途,縦横比,背景を指定して生成を依頼します.修正する場合は元画像を添付し,変更点を伝えます.
  • 生成後は画像を開き,必要な部分を修正して保存します.画面に表示された画像と,作業フォルダーに保存されたファイルは区別します.
  • 測定データのプロットは,解析コードで作図します.画像生成はイラストや概念図に向き,数値を正確に表すグラフとは用途が異なります.

画像生成・編集の公式説明.

スケジュール

  1. まず通常のチャットで作業内容を試し,期待する結果になるか確認します.
  2. 「毎週月曜9時,日本時間で,この資料を確認して要点をまとめる」など,日時・タイムゾーン・対象・出力先を指定します.
  3. Scheduled(スケジュール)で,登録内容,実行履歴,一時停止などを管理します.
  4. ローカルのファイルを使う定期実行では,パソコンとアプリを起動しておきます.クラウドでの実行では,サーバー側から参照できる資料を使います.

スケジュールの公式説明.

プラグイン・スキル・GPTs

追加機能の違い
機能使う目的
プラグイン外部サービスとの接続や追加の作業機能を導入する.インストール後,必要なら接続先のアカウントを認証する.
スキル資料作成などの手順を再利用する.チャットで明示的に選ぶか,作業に合うものを AI が選択する.
GPTs用途に合わせた指示や資料などを設定した ChatGPT を利用する.GPT というモデル名や,Codex のスキルとは区別する.
  • Plugins で目的のプラグインを探し,追加される機能と接続先を確認して導入します.反映されない場合は,新しいチャットで確認します.
  • GPTs の利用・作成・共有は,表示される GPTs の画面と所属組織の設定で確認します.作成機能の有無は利用条件に依存します.
  • Codex の IDE 拡張とデスクトップアプリでは,使える拡張機能が異なります.プラグインの管理は対応するデスクトップアプリや CLI で行います.

プラグイン,スキル,GPTs の共有・管理の公式説明を参照してください.

Sites(サイト)

Sites は,対話で WEB サイトや小さなアプリを作成し,ホスティングして共有する機能です.Sites の一覧から既存の作品を開き,修正や公開範囲の管理を行います.

  • 作成時は,閲覧者,必要な画面,入力する情報,保存するデータを伝えます.
  • 内容を確認してから公開する場合は,「まず保存と確認まで行い,公開はしない」と指定します.公開操作は実際の配信につながります.
  • 自分のサーバーに置く既存の HTML・PHP サイトを編集する場合は,Codex でファイルを修正し,そのサーバーの手順で配信します.Sites への公開とは別の作業です.

Sites の公式説明.

設定と入力欄の選択項目

アプリの設定

デスクトップアプリのメニューから Settings(設定)を開きます.Windows では Ctrl + , でも開けます.

設定の確認箇所
項目確認すること
一般・キーボード送信方法,ショートカット,作業中に送る追加メッセージの扱い.
外観・通知文字サイズや配色,作業終了時の通知.
カスタマイズ回答の文体,共通の指示,メモリーの扱い.性格の選択とモデルの能力は別.
ブラウザー・Computer UseWEB やアプリ操作に使う機能,アクセス先,必要な接続の設定.
モデル・開発設定使うモデル,利用可能な推論設定,外部エディターや実行環境.表示される範囲は利用形態による.

「簡潔な日本語で答える」は共通の好み,「このサイトは EUC-JP」はプロジェクトの規則,というように範囲を分けると管理しやすくなります.設定項目,カスタマイズを参照してください.

チャットを始める前に見る項目

  • Chat・Work・Codex:今回の目的に合う使い方を選びます.
  • モデル・推論の設定:対応するモデルから選びます.推論に使う量を増やす設定は,所要時間や使用量にも関係します.
  • 作業場所:ローカル,クラウド,Worktree のどこで動くか確認します.
  • 権限:ファイルの読み書きやコマンド実行の範囲,確認を求める条件を見ます.指示文で「変更しない」と書くことと,権限で変更を制限することは別です.
  • 添付・ツール:今回の資料や使う機能を追加します.
  • Plan(計画):利用可能な画面では,複雑な変更の前に計画を整理できます.実行へ進めるときに,範囲と完了条件を確認します.

停止・履歴・アーカイブ

  • 作業中の追加指示は,設定によって現在の作業を修正するか,次の作業として待機します.
  • 停止は,それまでのファイル変更を元に戻す操作ではありません.差分を確認します.
  • ピン留めは見つけやすくする操作です.参照できる資料や権限は増えません.
  • アーカイブは終了した会話を一覧から整理する操作です.ローカルの成果物をバックアップする操作ではありません.

会話の整理,権限の説明を参照してください.

作業を確実に進める

  1. 目的と完成形を決める:対象ファイル,変更範囲,出力形式を指定します.
  2. 資料を渡す:必要なファイル,単位,文字コード,実行方法をそろえます.
  3. 実行を依頼する:大きな作業では,手順の提案を確認してから進めます.
  4. 結果を確認する:ファイルの保存先,差分,数値,図,実行結果を確認します.
  5. 再利用できる形に残す:実行コマンドや条件を README.md に整理し,繰り返す手順はスキルにします.
困ったときの確認
症状確認箇所
ファイルが見つからない作業フォルダー,相対パス,アップロードの有無.
編集が元の場所に反映されないクラウドや Worktree のコピーを編集していないか.
指示が反映されない適用される AGENTS.md,設定の優先順位,新しいチャットへの反映.
コマンドが実行できないツールのインストール,PATH,Python の環境,実行場所.
日本語が文字化けする元ファイルの文字コードと,読み書き・HTML 宣言の一致.

用途別の手順は,Chat,Work,Codex,APIの各ページにまとめています.

ページ作成情報

参考資料

  1. Chat・Work・Codex の使い分け(OpenAI 公式,2026年9月23日確認)
  2. プロジェクトとファイル(OpenAI 公式,2026年9月23日確認)
  3. AGENTS.md(OpenAI 公式,2026年9月23日確認)
  4. config.toml(OpenAI 公式,2026年9月23日確認)
  5. アプリの設定(OpenAI 公式,2026年9月23日確認)
  6. スキルとプラグイン(OpenAI 公式,2026年9月23日確認)

更新履歴

2026年09月22日ページの新規作成
2026年09月23日本文,具体例,参考資料を追加.

関連ページ:Chat / Work / Codex / API.



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