Yamamoto's Laboratory
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コンピューター LaTeX インストール

LaTeXインストール方法

LaTeX のインストール方法を示します.現在は,TeX Live への移行が進んでいますので,インストールやアップデートは簡単です.

目次


TeX Live を使おう

以前の LaTeX は,さまざまなファイルを個別にインストールする必要があり,使えるようにするまで大変手間がかかりました(参考昔話).また,LaTeX システムのディレクトリーが複雑で,ファイルの追加が面倒でした.このような状況は,TeX Live の登場で一変しました.さらに,TeX Live では標準の文字コードが UTF-8 になったこともありがたいですね.今後,LaTeX を使うならば,TeX Live にすべきです.

TeX Live の設定 (Windows)

以下は,私の Widows 10 の環境に LaTeX をインストールしたときの手順です.

インストール

TeX Users Groupが配布する TeX Live をインストールします.Windows 版ではでは,この TeX がもっとも良いでしょう.お勧めです.インストール手順は,以下のとおりです.

  1. TeX Users Group の Installing TeX Live over the Internet にあるインストーラー「install-tl-windows.exe」をダウンロードします.ダウンロードしたファイルを適当なフォルダー(例えば,C:\temp) に移動します.
  2. インストラー: install-tl-windows.exe をダブルクリックします.インストールが開始されます.
  3. ダイアログ「Windows によってPCが保護されました」が表示されます(図1).詳細情報をクリックします.すると,実行のボタンが現れますので,それをクリックします(図2).
  4. 図1: PCが保護

    図2: インストール開始

  5. インストーラープログラムが起動しますので,それに従い作業を進めます.
    1. ダイアログ「TeX Live installer」が現れるので,インストール方法を指定します.Install のラジオボタンをチェックし,Next >をクリックします (図3).
    2. メインインストール方法を開始します.Installをクリックします (図4).
    3. メインインストールが開始します.Detailをクリックすると詳細が現れます (図5).
    4. 図3: TeX live installer

      図4: start main installer

      図5: インストール開始

    5. TeX の設定のダイアログが現れます.デフォルトのままで良いでしょう.インストールをクリックします(図6).
    6. インストール状況が表示されます (図7).
    7. インストールが終わると「TeX Live へようこそ」が表示されます.閉じるをクリックします(図8).私の環境ではインストールに,4時間ほどの要しました.
    8. 図6: TeX 設定

      図7: 進捗の表示

      図8: インストール完了

    9. 最後に「Completed」と表示されます.Closeをクリックします(図9).
    10. 図9: Completed

確認

ここまでのインストールに問題ないことを確認します.以下の操作は,テキストエディターとコマンドラインの知識がないと難しいと感じるかもしれません.その時は,無理をしないで TeXworks を使いましょう.

ここでの確認方法は,(1) TeXのソースファイルを作成,(2) コンパイルによる dvi ファイルの作成,(3) dviファイルを pdf に変換,(4) pdf の確認を行います.すくなくとも,テキストエディターの知識が必要です.

  1. たとえば,次のような単純な TeX のソースファイル「hello.tex」を作成します.これは,文字コードが UTF-8 のテキスト形式で保存しなくてななりません.そして,改行コードに「LF」を使うことを強く推奨します.
  2. \documentclass{jarticle}
    \begin{document}
    Hello World !! こんにちは、世界。
    \end{document}
    
  3. コマンドプロンプトを起動し,TeX のソースのあるディレクトリーに移動します.そして,次のコマンドにより,コンパイルを実行します.
    > platex hello.tex
    すると,hello.dvi というファイルができあがります.
  4. hello.dvi を見るために, pdf に変換します.先ほどと同じように,コマンドプロンプトで,次のコマンドを実行します.dvipdfmx は,dvi ファイルを pdf ファイルに変換するプログラムです.
    > dvipdfmx hello.dvi
  5. できあがった pdf ファイル (hello.pdf) を確認します.

アップデート

TeX Live は比較的,容易にアップデートできます.

GUI

GUI 版のアップデートプログラムを起動は,(1) スタート → TeX Live 2022 → TLShell TeX Live Manager をクリックする,(2) コマンドプロンプトで「tlmgr --gui」をタイプする — のいずれかです.TeX Live のマネージャーが起動します.

TeX Live マネージャー
図10: TeX Live マネージャー

コマンドライン

以下のコマンドを使うと,LaTeX システムをアップデートすることができます.

> tlmgr update -all

事前に,アップデートを確認できます.

> tlmgr update -all -dry-run

Dropbox との連携

私は複数の PC を使っており,全てのPCに TeX Live をインストールしています.全ての PC で全く同一の TeX 環境とするために,Dropbox で設定ファイルのフォルダー texmf を共有していています.私の設定方法を記載します.

ホームディレクトリー(C:\Users\yamamoto)に移動し,以下のコマンドをタイプします.これらは,スタイルファイルのシンボリックリンクです.

> mkdir texmf\tex\ptex
> mklink /D texmf\tex\ptex\accuthera q:\Accuthera\texmf\tex\platex\accuthera
> mklink /D texmf\tex\ptex\aet q:\Accuthera\texmf\tex\platex\aet

次は,bibファイルのリンクです.

> mkdir texmf\bibtex
> mklink /D texmf\bibtex\bib q:\Accuthera\texmf\bibtex\bib

そして,環境変数 TEXMFHOME を設定します.私はユーザー環境変数: TEXMFHOME を「c:\Users\yamamoto\texmf」と設定しました.

その他の設定

CUI では Linux で慣れている bash を使うのが好きです.Windows であれば Git Bash が使えます.

TeX Live の設定 (LINUX)

TeX Live をお気軽に使うのであれば,ディストリビューション (例: Ubuntu) のパッケージを利用することを勧めます.インストールとアップデートが簡単です.しかし,ディレクトリーツリーが TeX Live nの標準(?)とは異なり,ちょっと不便なことがあります.通常はほとんど問題になりませんが,気になる読者は Comprehensive TEX Archive Network (CTAN) が配布しているパッケージを利用するとハッピーになれるでしょう.ここでは,これら二つのインストール方法を示します.

インストール (apt-get)

Linux(Ubuntu 12.04/14.04) のディストリビューションが用意している TeX Live のインストール方法を示します.インストールは,簡単です.まずは,以前の TeX があれば,TeX Live インストール前に,すべて削除します.そして,以下のコマンドで TeX Live の本体をインストールします.

$ sudo apt-get install texlive

最後に,日本語環境を整えるために以下のコマンドを実行します.

$ sudo apt-get install texlive-lang-cjk

これで,TeX Live のインストールは完了です.これで,LaTeX が使えるはずです.日本語の LaTeX のコンパイルのコマンドは,「platex」です.

インストール (CTAN)

インストールと設定

Comprehensive TEX Archive Network (CTAN)が配布する TeX Live をインストールします.この配布パッケージはお勧めです.具体的なインストール手順は,以下の通りです.

この TeX Live パッケージは,「/usr/local/texlive/XXXX」にインストールされます.XXXX は,バージョンを表す西暦年です.

  1. CTANIndex of /systems/texlive/tlnet にあるインストーラー「install-tl-unx.tar.gz」をダウンロードします.
  2. ダウンロードしたディレクトリーに移動し,ファイルを解凍します.
    $ tar zxvf install-tl-unx.tar.gz
  3. 解凍されたディレクトリーに移動します(コマンド「cd install-tl-20150729/」).そして,readme があるので,一度,目を通した方が良いでしょう.日本語もあります,インストールスクリプトは,install-tl です.ただし,Windows では,install-tl.bat.以下に示す 3つのインストールのモードがあります.
    モード 動作
    wizard Windows のデフォルトのモードです.コマンド「install-tl --gui=wizard」で明示的に起動できます.
    text 完全にカスタマズ可能なモードです.Unix や Mac のデフォルトモードです.コマンド「install-tl --gui=text」で明示的に起動できます.
    perltk text モードに GUI を加えたモードです.コマンド「install-tl --gui=perltk」で明示的に起動できます.ただし,Windows の場合のコマンドは,「install-tl-advanced.bat」です.
    また,コマンド「./install-tl -h」でヘルプを見ることができます.ここでは,text モードでインストールします.
    $ sudo ./install-tl -lang ja
  4. 途中,インストール開始の質問があれば,適当に答えます(「I」を押す).私の場合,インストールに2時間50分程度が必要でした.問題なくインストールが完了すると,「Welcome to TeX Live!」が表示されます.途中でインストールが失敗すると,メッセージが現れます.上手くいくまで,再ストールを繰り返します.
  5. インストール完了後,PATH の設定を行います.「.profile」などに,以下を記述します.32ビット版は,次のとおりです.
    if [ -d "/usr/local/texlive/2015" ] ; then
       PATH="/usr/local/texlive/2015/bin/i386-linux:$PATH"
       MANPATH="/usr/local/texlive/2015/texmf-dist/doc/man:$MANPATH"
       INFOPATH="/usr/local/texlive/2015/texmf-dist/doc/info:$INFOPATH"
    fi

    64ビット版は,次のようになります.

    if [ -d "/usr/local/texlive/2015" ] ; then
       PATH="/usr/local/texlive/2015/bin/x86_64-linux:$PATH"
       MANPATH="/usr/local/texlive/2015/texmf/doc/man:$MANPATH"
       INFOPATH="/usr/local/texlive/2015/texmf-dist/doc/info:$INFOPATH"
    fi
  6. 書き換えた「.profile」を反映させます.
    $ source ~/.profile

これで,TeX Live のインストールと設定は完了です.TeX Live のファイル一式は,「/usr/local/texlive/2015/」にインストールされます.

アップデート

設定

アップデートするためには,root で作業する必要があります.アップデートには,TeX Live Manager を使います.その実行ファイルへのパスは,32ビット版では「/usr/local/texlive/2015/bin/i386-linux/tlmgr」,64ビット版では,「/usr/local/texlive/2015/bin/x86_64-linux/tlmgr」です.これを実行するためには,root ホームディレクトリーの「.profile」などに,一般ユーザーと同様に,パスの設定が必要です.コマンド「sudo su -」と「emacs .profile」でファイルを開き,編集します.

32ビット版では,以下を追記します.

if [ -d "/usr/local/texlive/2015" ] ; then
   PATH="/usr/local/texlive/2015/bin/i386-linux:$PATH"
   MANPATH="/usr/local/texlive/2015/texmf-dist/doc/man:$MANPATH"
   INFOPATH="/usr/local/texlive/2015/texmf-dist/doc/info:$INFOPATH"
fi

64ビット版は,次のようになります.

if [ -d "/usr/local/texlive/2015" ] ; then
   PATH="/usr/local/texlive/2015/bin/x86_64-linux:$PATH"
   MANPATH="/usr/local/texlive/2015/texmf/doc/man:$MANPATH"
   INFOPATH="/usr/local/texlive/2015/texmf-dist/doc/info:$INFOPATH"
fi

書き換えた「.profile」を反映させます.

# source ~/.profile
実行

アップデートするために,root になります.

$ sudo su -

アップデートのコマンドは,次の通りです.

# tlmgr update -all

事前に,アップデートを確認することもできます.

# tlmgr update -all -dry-run

インストール後の様々なこと

TeX Live 2017

ページ作成情報

参考資料

  1. Installing TeX Live over the Internet」を参考に,Windos の TeX Live のインストールしました.
  2. また,TeX Wikiの「TeX Live/Windows」も参考になります.
  3. インストール (CTAN)」の記述では,「TeX Live 2014 のインストール」を参考にしました.
  4. Linux へのインストールは,「TeX Live 2011のインストール on Ubuntu 10.04」が参考になります.

更新履歴

2015年07月26日 ページの新規作成
2015年08月01日 TeX Live のインストール方法の記述.


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