3 フーリエ変換

3.1 フーリエ変換

技術者にとって,フーリエ積分よりもフーリエ変換の方が重要である.指数関数形で書か れたフーリエ積分は,

$\displaystyle F(\alpha)$ $\displaystyle =\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty}f(u)e^{-i\alpha u}\,\mathrm{d}u$ (16)
$\displaystyle f(x)$ $\displaystyle =\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty}F(\alpha)e^{i\alpha x} \,\mathrm{d}\alpha$ (17)

である.式(16)はフーリエ変換(Fourier transform), 式(17)は逆フーリエ変換(inverse Fourier transform)と呼ばれる.

これらの二つの式はよく似ているが,指数関数の符号が異なり完全に対称ではない.

フーリエ変換と逆フーリエ変換の両方の式には,係数 $ 1/\sqrt{1\pi}$がかかっている. この式の導出過程からも分かるように,どちらか一方に$ 1/(2\pi)$をかけるだけでもよい. そののうに記述した教科書も多い.どちらでも良いのある.

3.2 フーリエ余弦変換とフーリエ正弦変換

フーリエ変換を表す式(16)や式 (17)はオイラーの公式を使って,

$\displaystyle F(\alpha)$ $\displaystyle =\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty} f(u)(\cos\alpha u-i\sin\alpha u)\,\mathrm{d}u$ (18)
$\displaystyle f(x)$ $\displaystyle =\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty} F(\alpha)(\cos\alpha x+i\sin\alpha x)\,\mathrm{d}\alpha$ (19)

と書き換えることができる.

3.2.0.1 フーリエ余弦変換

もし,関数$ f(x)$が偶関数であれば,式 (18)は

$\displaystyle F(\alpha)$ $\displaystyle =\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty} f(u)\cos\alpha u\,\mathrm{d}u$ (20)

となる.なぜならば, $ \sin\alpha u$の項は偶関数と奇関数の積分でその値はゼロとなり, 積分に寄与しないからである.そして,この$ F(\alpha)$も偶関数となる. $ F(-\alpha)=F(\alpha)$となるからである.したがって,逆フーリエ変換は,

$\displaystyle f(x)$ $\displaystyle =\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty} F(\alpha)\cos\alpha x\,\mathrm{d}\alpha$ (21)

となる.関数$ f(x)$が偶関数の場合のこれらの変換をフーリエ余弦変換と呼ぶ.

3.2.0.2 フーリエ正弦変換

もし,関数$ f(x)$が奇関数であれば,式 (18)は

$\displaystyle F(\alpha)$ $\displaystyle =-i\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty} f(u)\sin\alpha u\,\mathrm{d}u$ (22)

となる.この$ F(\alpha)$は奇関数である.したがって,逆フーリエ変換は,

$\displaystyle f(x)$ $\displaystyle =i\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty} F(\alpha)\sin\alpha x\,\mathrm{d}\alpha$ (23)

となる.これらの変換には虚数単位の$ i$があり,みっともない.そこで,

$\displaystyle \frac{F(\alpha)}{-i}=iF(\alpha)\to F(\alpha)$ (24)

と変数変換する.すると,

$\displaystyle F(\alpha)$ $\displaystyle =\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty} f(u)\sin\alpha u \,\mathrm{d}u$ (25)
$\displaystyle f(x)$ $\displaystyle =\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty}F(\alpha)\sin\alpha x \,\mathrm{d}\alpha$ (26)

となる.関数$ f(x)$が偶関数の場合のこれらの変換をフーリエ正弦変換と呼ぶ.
ホームページ: Yamamoto's laboratory
著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年1月19日


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