1 本日の授業内容

1.1 前回の復習

先週は教科書の3章のp.73-84の変数の表示などを学習した．先週の講義で理解すべき内容は， 以下の通り．

• 浮動小数²は，以下のように表すことが できる．

  	x=0.00000023456;
  	y=2.3456e-7;
  

  いずれも同じ値，数学では $2.3456\times 10^{-7}$を表している．この例の e-7は，$10^{-7}$を表している．非常に大きな数や小さな数を表す場合，ゼ ロを書かなくて済む分，簡単だし間違いが少なくなる．このような表しかたを指 数形式と言う．
• 浮動小数の様々な表示方法について， 学習した．例えば，mu=1.25663706144e-6とする．printfでは次のように 表示される．

  $$\Rightarrow$$ printf("%f\n",mu); 0.000001

  $$\Rightarrow$$ printf("%0.10f\n",mu); 0.0000012566

  $$\Rightarrow$$ printf("%20.10f\n",mu); 0.0000012566

  $$\Rightarrow$$ printf("%e\n",mu); 1.256637e-06

  $$\Rightarrow$$ printf("%0.10e\n",mu); 1.2566370614e-06

  $$\Rightarrow$$ printf("%20.10e\n",mu); 1.2566370614e-06

  
  
  • %fとすると小数形式で値を表示する．%eとすると指数形式で 値を表示する．いずれの場合も小数点以下6桁である．
  • %0.nfあるいは%0.neと表示した場 合,それぞれの形式で小数点以下n桁で表示する．
  • %m.nfあるいは%m. neと表示した場合，全体で少なくともmカラム用意して，小 数点以下n桁で，それぞれの形式で表示する．カラムと言うのは文字が書ける枠 のこと．
• コンピュータープログラムではデータは変数の中に格納される．変数を使うため には，型と変数名を指定--変数の定義--を行わなくてはならない．定義を行う とデータを格納することができるようになる．ただし，変数を定義しただけでは， その中に格納されている値は不定--とんでもない値--である．次のようにすれ ば，変数の定義と初期化--定義と同時に値の格納--ができる．

  	int hoge=123, fuga=456;
  	double foo=3.1415, bar=1.6e-19;
  

• 型修飾子constを付けることにより，定数のように扱うことができる．例え ば，次のように変数の定義を行う．

  	const int hoge=123;
  	const double fuga=9.8765e+43;
  

  このように変数を定義すると，プログラム中で変数hogeやfugaに値の 代入ができなくなる．コンパイラーがエラーメッセージを出す．

1.2 本日の学習内容

今回の授業で，教科書 [1]の3章「変数と式」の学習を終 える．本日の範囲は，p.85-99である．この範囲のうち，今現在諸君が身につけるべき内 容を厳選して，ここでは学習する．

本日の学習のゴールは，以下のとおりである．

• 括弧によって演算の順序を変えることができる--ことを理解する．
• 様々な代入演算子の使い方が分かる．
• 整数型(int)と倍精度実数型(double)の両方が含まれた演算では，計算 精度の高い方に自動的に変換されることが理解できる．さらに，右辺値は左辺の型 に変換されることが理解できる．
• キャストによる明示的な型変換--強制型変換--の使い方が分かる．

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著者: 山本昌志