3 C言語の文法

3.1 基本

3.1.1 約束事

• C言語では、大文字と小文字は、区別されます。変数名 hogehogeと Hogehoge、hoGehogeは異なります。
• コンピューター内部では、\(バックスラッシュ) と￥(円マーク)の取り扱いは全く同じです。
• 空白、改行、タブは、関数の間に好きなだけ入れることができる。
• {と}は対応しており、{と}で囲まれた部分は、一つの処理のまと まりを表す。
• ひとつの文は、;(セミコロン)で終わらなくてはならない。 これは、日本語の文末につける「。」に相当する。
• 足し算は+、引き算は-、掛け算は*、割 り算は/で表すことができ、( )を使って、数学と同 じように計算式を書くことができる。
• コメント文は、プログラムの内容をわかりやすくするために記述する ものです。これは、人間のためのもので、コンパイラーは無視します。 /*〜*/で囲まれた部分が、コメント文です。行をま たいでも、それは有効です。
• プログラムはmain()関数から実行される。
• 基本的には、プログラムは上から下へと処理の動作が行われる。

3.1.2 おまじない

• 当面、プログラムの最初と最後にか書かれる、以下の部分はおまじな いとして憶えておきます。もう少し進んだときに、その内容は教えます。

  	
  	#include <stdio.h>
  
  	int main()
  	{
  
  	   文;
  
  	   return(0);
  	}
  

3.2 printf()関数

• ディスプレイ⁵に、"(ダブルクォー テーション)で囲まれた文字列や数値などの表示と、改行などを指示す る。

  C言語の文	出力	説明
  printf("Hello world");	Hello world	表示後、改行なし
  printf("Hello world\n");	Hello world	表示後、改行あり。

• 改行したい場合は、改行したい場所に「\n」を記述 する。

  C言語の文	出力	説明
  printf("Hello\nworld\n",i);	Hello	Helloの後とworldの後に改行
  	world

• 変数を表示する場合、その数値や文字は、ダブルクォーテーション の間で、Y $_{\texttt{n}}$で与えられる変換仕様を記述する。変換仕様は対応す る変数の出力方法を決めるものである。
• Y $_{\texttt{n}}$に対する変換仕様は、以下の通りである。
  

  整数	%d
  実数値	%f
  より精度の高い実数値	%lf
  1文字	%c

  今回のテスト範囲では、%dと%fが使えればよい。 i=-1234、x=-1.234の場合、次のようになる。

  C言語の文	出力	説明
  printf("i=%d",i);	i=-1234
  printf("x=%f",x);	x=-1.23000

• 文字や数字を表す場合、その文字数をフィールド幅と言う。
• 整数表示のフィールド幅を調整するときは、変換仕様%dの %とdの間に、最小フィールド幅を記述する。整数の桁 よりもフィールド幅が少ない場合は、必要分が追加される。また、フィー ルド幅の方が多い場合は、右詰で左側に空白が挿入される。たとえば、 i=-1234とした場合、以下のようになる。

  C言語の文	出力	説明
  printf("%d",i);	-1234
  printf("%3d",i);	-1234	表示のフィールドが不足なので追加
  printf("%4d",i);	-1234	表示のフィールドが不足なので追加
  printf("%5d",i);	-1234
  printf("%6d",i);	-1234	左側に1個の空白あり

• 少数部の桁を調整するときは、変換仕様%lfの%と lfの間に、「最小フィールド幅.小数部の桁数」と記述する。 表示されない桁は、四捨五入される。たとえば、 x=-1.234とした場合、以下のようになる。

  C言語の文	出力	説明
  printf("%lf",x);	-1.234000
  printf("%.1lf",i);	-1.2
  printf("%.3lf",i);	-1.234
  printf("%3lf",x);	-1.234000
  printf("%3.1lf",i);	-1.2	表示のフィールドが不足なので追加
  printf("%3.3lf",i);	-1.234	表示のフィールドが不足なので追加
  printf("%8lf",x);	-1.234000	表示のフィールドが不足なので追加
  printf("%8.1lf",i);	-1.2	左側に4個の空白あり
  printf("%8.3lf",i);	-1.234	左側に2個の空白あり

3.3 変数

• 変数は、値を入れておく箱のようなものである。1つの変数に1個の値 を入れておく(記憶)ことができる。
• いろいろな変数の型があるが、以下のものがよく使われる。
  

  変数の型名	変数の取り得る値
  int	整数
  float	実数
  double	精度の高い実数

  今回のテスト範囲では、intとdoubleが使えればよい。
• 変数を使う場合、プログラムの最初に変数の宣言を行う必要がある。 たとえば、整数変数iとmax_i、倍精度実数変数xとmax_xを使う場合は、次 のように宣言する。
  
  

  	int i, max_i;
  	double x, max_x;

• 変数に値を入れるためには、代入演算子(=)をつかう。これ は、右辺の計算式の値を、左辺の変数に代入する。したがって、右辺と 左辺を入れ替えてはいけない。
  
  

  	i=123;
  	x=3.0*i+1.234;

3.4 scanf()関数

• キーボードから、値(文字や数値)を読み込むために、 scanf()関数を使う。読み込んだ値は、変数に格納される。
• scanf()関数の記述の仕方は、次の通りである。

  scanf("変換仕様の並び ", &変数名, &変数名, $\cdots$, &変数名);

• 変換仕様とは、キーボードから入力されたものがどのような値か判断 するために使う。主なものは以下の通りである。
  

  整数	%d
  実数値	%f
  倍精度実数値	%lf
  1文字	%c

• 変数名は、先頭に&をつける必要がある。
• キーボードから実数変数を読み込み、その値を変数xに代入する。さら に、キーボードから整数変数を読み込み、その値をiに代入する。この プログラムは、以下のように書く。
  
  

  	scanf("%lf",&x);
  	scanf("%d",&i);

ホームページ: Yamamoto's laboratory
著者: 山本昌志