Yamamoto's Laboratory
共同研究
KEK
研究内容 電磁気学 理論的なお話 グリーン関数 (Green's function)

電磁気学グリーン関数

読者からグリーン関数について質問を受けたので,ちょっとまとめます.

目次


グリーン関数とは

一次元

自己随伴演算子 \(\mathcal{L}\) を使った微分方程式(シュツルム・リウヴィル方程式) \begin{align} \mathcal{L}y(x)+f(x)=0 \end{align} を考えます.これは非同次項 \(f(x)\) があるので,非同次微分方程式です.この方程式を解くテクニックのひとつにグリーン関数を使った方法があります.

一次元の場合,自己随伴演算子 \(\mathcal{L}\) は, \begin{align} \mathcal{L}=\ddiffA{}{x}\left[p(x)\ddiffA{}{z}\right]+q(x) \end{align} \begin{align} \mathcal{L}=\ddiffA{ }{x} \end{align} と定義されます.

簡単な例

グリーン関数のイメージが湧き易い例として,ポアソン方程式を解く場合を考えましょう.静電場の問題に現れるポアソン方程式は, \begin{align} \nabla^2\phi(\vm{r})=\cfrac{1}{\varepsilon}\rho(\vm{r}^\prime) \end{align} です.次の場合,この方程式は簡単に解くことができます.

  • 空間は等方で無限に広がっている.すなわち,極角\(\theta\)方位角\(\phi\)との微分はゼロになる.
  • 単位電荷が座標$\vm{r}^\prime$にある.

式で表すと, \begin{align} \nabla^2\phi(\vm{r})=\cfrac{1}{\varepsilon}\delta(\vm{r}^\prime) \end{align} になります.もちろん,$\delta(r)$は,デルタ関数です. \begin{align} \phi(\vm{r})=\cfrac{1}{4\pi\varepsilon|\vm{r}-\vm{r}^\prime|} \end{align}

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2015年12月04日 新規作成


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