2 電気回路

[1] 図の回路の両端AB間に電圧$ V$をかけたとき,図の電流$ I_0$の強さを最小にするには,P 点の位置をCD間のどこにすればよいか.
\includegraphics[keepaspectratio, scale=1.0]{figure/circuit.eps}

教科書にならいCP間の抵抗を$ X$とする.すると,PD間の抵抗は$ R_1-X$となる.あとは, キルヒホッフの法則を使えば計算できる.左の回路 に流れる電流を$ I_i$,右の回路に流れる電流を$ I_0$とする.すると,以下の連立方程式

  $\displaystyle V-I_1X-(I_1-I_0)R_2=0$    
  $\displaystyle -(I_0-I_1)R_2-I_0(R_1-X)=0$    

が成り立つ.これから,$ I_0$を求めることになるが,めんどくさいのでMathematicaを使 う.すると

$\displaystyle I_0=\frac{R_2V}{-X^2+R_1X+R_1R_2}$    

となる.

この電流を最小にするためには,分母を最大にする必要がある.幸いなことに,分母は上 に凸な二次関数なので,最大値がある.導関数がゼロの場合で,

$\displaystyle -2X+R_1=0$    

となる.したがって,

$\displaystyle X=\frac{R_1}{2}$    

となり,丁度,$ R_1$の中点にPにすればよい.






[2] 起電力が$ \phi^e$,内部抵抗が$ r$$ n$個の電池を直列または並列に接続し,これを抵 抗$ R$につないだとき,それぞれの回路を流れる電流の強さを求めよ.

$ n$個直列につないだ場合は,$ n\phi^e$の電圧が$ nr$の抵抗と$ R$の抵抗に印可されたと 考える.したがって,この場合,流れる電流は,

$\displaystyle I=\frac{n\phi^e}{nr+R}$    

となる.

並列につないだ場合の抵抗$ R$に流れる電流を$ I$とする.すると,各電池に流れる電流は $ I/n$となる.オームの法則とキルヒホッフの法則を使うと,

$\displaystyle \phi^e-\frac{I}{n}r-IR=0$    

となる.これから,電流は,

$\displaystyle I=\frac{n\phi^e}{r+nR}$    

となる.
ホームページ: Yamamoto's laboratory
著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年7月24日


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