4 論理式による表現

真理値表があると、それから論理式を求めることができるのは学習したとおり である。学習した4通りの方法を示し、それが元の真理値表と全く同一である ことを示す。

4.1 主加法標準形

真理値表の値が1になるものに着目すると、主加法標準形を得ることができる。 表2では、

$\displaystyle Z=\bar{A}\cdot\bar{B}\cdot C+ \bar{A}\cdot B\cdot\bar{C}+ \bar{A}\cdot B\cdot C+ A\cdot B\cdot \bar{C}$ (1)

となる。

それでは、この論理式が元の真理値表と全く同じであるか確かめる。そのため に、すべての入力条件で、この式の各項を計算して、最後にその論理和を取る ことにより、この式を評価する。その結果は、表[*]の通りである。この表の$ Z$は、元の真理値表である表[*]$ Z$と同じである。したがって、式1は、元の 真理値表と全く同じであることがわかる。当たり前のことである。

表 3: 主加法標準形を確かめる真理値表
$ A$ $ B$ $ C$ $ \bar{A}\cdot\bar{B}\cdot C $ $ \bar{A}\cdot B\cdot\bar{C} $ $ \bar{A}\cdot B\cdot C $ $ A\cdot B\cdot \bar{C} $ $ Z$
0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 1 1 0 0 0 1
0 1 0 0 1 0 0 1
0 1 1 0 0 1 0 1
1 0 0 0 0 0 0 0
1 0 1 0 0 0 0 0
1 1 0 0 0 0 1 1
1 1 1 0 0 0 0 0

4.2 主乗法標準形

真理値表の値が0になるものに着目すると、主乗法標準形を得ることができる。 表2では、

$\displaystyle Z=(A+B+C)\cdot (\bar{A}+B+C)\cdot (\bar{A}+B+\bar{C})\cdot (\bar{A}+\bar{B}+\bar{C})$ (2)

となる。

同様に、この論理式も元の真理値表と全く同じであるか確かめる。同じように、 すべての入力条件で、この式の各項を計算して、最後にその論理和を取ること により、この式を評価する。その結果は、表[*]の通りである。この表の$ Z$は、元の真理値表である表[*]$ Z$と同じである。したがって、式1は、元の真理 値表と全く同じであることがわかる。これも、当たり前のことである。

表 4: 主乗法標準形を確かめる真理値表
$ A$ $ B$ $ C$ $ A+B+C $ $ \bar{A}+B+C $ $ \bar{A}+B+\bar{C} $ $ \bar{A}+\bar{B}+\bar{C} $ $ Z$
0 0 0 0 1 1 1 0
0 0 1 1 1 1 1 1
0 1 0 1 1 1 1 1
0 1 1 1 1 1 1 1
1 0 0 1 0 1 1 0
1 0 1 1 1 0 1 0
1 1 0 1 1 1 1 1
1 1 1 1 1 1 0 0

4.3 カルノー図

次にカルノー図を使って、論理式を求めよう。真理値表の$ Z=1$の部分をカル ノー図の表に書き込んで、それを適当に囲めばよいのである。このようにして 出来上がったカルノー図は、図2のようになる。
図 2: カルノー図による表現
\includegraphics[keepaspectratio, scale=1.0]{figure/kg.eps}

ここまでできれば簡単で、後は共通項を取り出して、論理和でくくればよい。 すると、

$\displaystyle Z=\bar{A}\cdot C+B\cdot\bar{C}$ (3)

が得られる。


表 5: カルノー図による展開を確かめる真理値表
$ A$ $ B$ $ C$ $ \bar{A}\cdot C $ $ B\cdot\bar{C} $ $ Z$
0 0 0 0 0 0
0 0 1 1 0 1
0 1 0 0 1 1
0 1 1 1 0 1
1 0 0 0 0 0
1 0 1 0 0 0
1 1 0 0 1 1
1 1 1 0 0 0

4.4 クワイン・マクラスキー法

時間が無くてこの部分の用意ができなかった。今までと同じになるはずである。 興味のある人は確かめよ。
ホームページ: Yamamoto's laboratory
著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年8月20日


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