2 固有値問題の行列

ヘルムホルツ方程式を有限要素法によって固有値問題にすると,

$\displaystyle \bf {Ku} = \lambda \bf {Mu}$ (2)

という形の一般化固有値問題になる.ここで,ディレクレ条件は斉次ディレクレ条件とし, 節点の番号は,ディレクレ条件が最後になっているものとする. すなわち,全節点数が$ n$でディレクレ条件以外の節点が1番から$ m$番まで, $ m+1$番から$ n$番までは,斉次ディレクレ条件だとする. このような前提条件で行列をつくると,$ m$$ m$列の行列 $ \bf {K},\bf {M}$ が以下のようにつくられる.

まず,$ \bf {K}$を決定する. $ k_{ij}$の要素$ (I)$の寄与による項は以下のようになる.

$\displaystyle \left. k_{ij} \right\vert _{(I)} = 2 \pi \left( \frac{\partial \p...
...al z} \frac{\partial \phi_j }{\partial z} \right) \int\!\!\!\int_{(I)} r \ drdz$ (3)

これをさらに計算すると以下のようになる.

$\displaystyle \left. k_{ij} \right\vert _{(I)} = 2 \pi \frac{1}{6\Delta} (r_i+r_j+r_k) \left[ (z_j-z_k)(z_k-z_i) + (r_j-r_k)(r_k-r_i) \right]$ (4)

同様に,$ \bf {M}$も求めていく. $ m_{ij}$の要素$ (I)$の寄与による項は以下のようになる.

$\displaystyle \left. m_{ij} \right\vert _{(I)} = 2 \pi \int\!\!\!\int_{(I)} r \phi_i \phi_j drdz$ (5)

これをさらに計算すると以下のようになる.

$\displaystyle \left. k_{ij} \right\vert _{(I)} = \begin{cases}(1/120) (2r_i+2r_j+r_k) \Delta \ (i\not=j)\\ (1/60) (3r_i+r_j+r_k) \Delta \ (i=j) \end{cases}$ (6)

ここで,$ \Delta$は三角形の面積の2倍で,

$\displaystyle \Delta = r_i z_j + r_j z_k + r_k z_i - z_i r_j - z_j r_k - z_k r_i$ (7)

となる.

この一般化固有方程式を解けば固有振動数が求められる.


ホームページ: Yamamoto's laboratory
著者: 夏井拓也
Yamamoto Masashi
平成19年8月20日


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