# $Id: README-Windows-ja.txt,v 1.1.2.2 2012/01/14 08:16:17 markisch Exp $
# README.Windows (installer 付属) の訳

gnuplot バージョン 4.6 パッチレベル 0 -- Windows 用バイナリ配付
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gnuplot は、コマンド入力方式の対話機能のグラフユーティリティで、Linux,
OSX, Windows, VMS, その他多くのプラットホーム上で動作します。このソフト
ウェアには著作権がありますが、フリーに配布されています (すなわち、それ
に対価を支払う必要はありません)。元は、科学者や学生が数学関数やデータな
どを視覚化するためのグラフプログラムでした。

gnuplot は、曲線 (2 次元)、および曲面 (3 次元) のグラフの両方を処理でき
ます。曲面は、3 次元座標空間上を漂う形の指定した関数に合う網目の形式で
描画したり、また x-y 平面上の等高線として描画したりできます。2 次元描画
では、折線グラフ、点グラフ、棒グラフ、等高線、ヒストグラム、3 次元デー
タの等高線射影など、多くの描画スタイルをサポートしています。グラフには、
任意のラベルや矢印、軸のラベル、タイトル、日時、グラフの凡例などのラベ
ルづけも行えます。


はじめに
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gnuplot の新規ユーザは、gnuplot 起動後に `help` とタイプすることで表示
される一般的な説明書きを読むことから始め、そして `plot` コマンドに関す
る説明 (`help plot` と入力してください) を読んでください。gnuplot のマ
ニュアル (オンラインヘルプに合う形式で書かれています) は、PDF ファイル
としても置かれています (訳注: gnuplot には日本語の PDF マニュアルは付属
していません。後述の日本語マニュアルサイトを参照してください)。

'demo' ディレクトリには、たくさんのテスト用、サンプル用のスクリプトが置
いてあります。`test` や `load "all.dem"` を実行するか、またはインターネ
ット上の以下のデモを参照してください。
  http://www.gnuplot.info/screenshots/index.html#demos


ライセンス
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使用許諾 (著作権) 条件については、Copyright ファイルを参照してください。

gnuplot に含まれる "GNU" は、Free Software Foundation とは関係「なく」、
たまたま一致したにすぎません (これには長い話があります。詳細は gnuplot
FAQ を参照)。よって、gnuplot は GPL (GNU Public License) copyleft でカ
バーされてはおらず、自前の著作権文書を持っていて、それはすべてのソース
コードにも及んでいます。しかし、関連するドライバとサポートユーティリテ
ィのいくつかについては二重ライセンスになっています。


gnuplot バイナリ配布物
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* wgnuplot.exe: デフォルトの gnuplot 実行ファイル。

* gnuplot.exe: テキスト (コンソール) モード版の gnuplot 実行ファイルで、
  他のプラットホームのものと共通な完全なパイプ機能を持ちます。
  wgnuplot.exe と比較すると、このプログラムは標準入力からのコマンドも受
  け付け、出力メッセージを標準出力にも出せます。これは pgnuplot.exe に
  代わるもので、例えば Octave (www.octave.org) のように、gnuplot をグラ
  フエンジンとして使用するような他のアプリケーションではこちらを使用す
  ることを推奨します。

* pgnuplot.exe: このプログラムは標準入力からコマンドを受け付け、それを
  動作中 (あるいは新規に起動) の wgnuplot.exe のテキストウィンドウにパ
  イプして渡します。コマンドラインオプションはその wgnuplot に渡します。
  実際、これは `pgnuplot' で `wgnuplot' をほぼ完全に置き換えられること
  を意味しますが、さらにリダイレクトされた標準入力からコマンドを受け付
  けるというメリットを持ちます。(`wgnuplot` は Windows の GUI アプリケ
  ーションであるため、それ自体が標準入力からは何も読み込むことができま
  せん。)

* ランタイムライブラリファイル
  gnuplot が必要とするランタイムライブラリファイル (freetype6.dll 等)
  もこのパッケージに含まれています。各ランタイムライブラリのライセンス
  ファイルは 'license' ディレクトリ内に置かれています。


インストール
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gnuplot はインストーラつきの形式になっていて、これは基本的には、あなた
が選択するオプションに応じて、以下のように動作します:

* 例えば C:\Program Files\gnuplot 等のあなたが選択したディレクトリ内に
  このパッケージ (またはその一部分) を展開します。

* デスクトップ上と「クイック起動」の場所 (Windows XP, Vista の場合) に
  wgnuplot のショートカットアイコンを作成します。さらに、スタートアップ
  メニュー内にこのプログラムやヘルプ、付属文書、gnuplot のインターネッ
  トサイト、デモスクリプトへのリンクを追加します。
  (訳注: 「クイック起動」は「スタート」を右クリックして「プロパティ」、
  「タスクバー」と進んで「クイック起動を表示する」にチェックすることで
  表示されます。)

* *.gp や *.gpl, *.plt の拡張子のファイルを wgnuplot が開くよう関連付け
  させます。Windows 7 や Vista で関連付けを変更するには、[コントロール
  パネル]、[プログラム]、[既定のプログラム]、[関連付けを設定する]、と進
  んでください。そして一覧の中からファイルの形式を選択し、[プログラムの
  変更] をクリックしてください。

* gnuplot 実行ファイルへのパスを PATH 環境変数に追加します。これにより
  コマンドラインで `gnuplot' や `wgnuplot' と入力すれば gnuplot を起動
  できるようになります。

* Windows のエクスプローラーの "ファイル名を指定して実行" のダイアログ
  ウィンドウのショートカットに gnuplot を追加します。これで、単に 
  Windows キーを押して `wgnuplot' を選択して実行することで wgnuplot を
  起動できるようになります。

* デフォルトの出力形式 (terminal) を wxt/windows から選択すると、インス
  トーラはそれに応じて GNUTERM 環境変数を更新します。環境変数の変更方法
  については下のセクションを参照してください。ただし、後であなたの
  gnuplot.ini ファイルに
    set term windows
  か
    set term wxt
  を追加することも可能です。`help startup` を参照してください。

* デモスクリプトをインストールした場合は、それらを含むディレクトリが
  GNUPLOT_LIB 検索パスに含まれます。以下参照。

カスタマイズ:
gnuplot はユーザのアプリケーションデータディレクトリ %APPDATA% が見つか
れば、起動時にそこにある gnuplot.ini をまず実行します。wgnuplot と
windows 出力形式は、アプリケーションデータディレクトリ内の wgnuplot.ini
から設定を読み込み、このファイルに設定を保存します。`help wgnuplot.ini`
を参照してください。


フォント
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グラフィカルテキストウィンドウ (wgnuplot.exe):
  対話ウィンドウのフォントは、ウィンドウ上部の「オプション」のアイコン
  か、またはウィンドウ最上部を右クリックして出るメニューから "Choose 
  Font..." を選択して変更できます。古い "Terminal" (gnuplot 4.4 でのデ
  フォルト) のようなフォントではなく、"Consolas" のような新しい 
  Truetype フォントを使用することを強く推奨します (訳注: 日本語を使用す
  る場合は、「MS ゴシック」や「MS 明朝」などの日本語のフォントを指定す
  るといいでしょう)。この変更を保持するために、同じメニューにある 
  "Update wgnuplot.ini" を実行してください。

コンソールウィンドウ (gnuplot.exe):
  拡張文字が正しく表示されなければ、"Consolas" や "Lucida Console" など
  の非ラスタライズ形式のコンソールフォントに変更する必要があります。こ
  れはコンソールウィンドウの「プロパティ」で行えます。


地域対応
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gnuplot version 4.6 では、メニューとヘルプファイルの地域対応をサポート
していて、デフォルトでは gnuplot は wgnuplot-XX.mnu と wgnuplot-XX.chm
を読み込もうとします。ここで、XX は 2 文字の言語コードです。現在のとこ
ろ、英語 (デフォルト) と日本語 (ja) をサポートしていますが、他の地域対
応ファイルも募集しています。

強制的に特定の言語を使うようにするには、wgnuplot.ini ファイルに
  Language=XX
を入れてください。このファイルは、あなたの %APPDATA% ディレクトリに置か
れています。例えば英語のメニューで日本語のヘルプが見たい、といった混在
した設定がしたければ、wgnuplot.ini に以下の行を追加すればできます:
  HelpFile=wgnuplot-ja.chm
  MenuFile=wgnuplot.mnu

現在は gnuplot 内から言語環境の設定を変更する方法はないことに注意してく
ださい。


環境変数
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サポートする環境変数の一覧を見るには、gnuplot 上で 'help environment'
としてください。

環境変数を設定/変更するには、Windows NT/2000/XP/Vista では [コントロー
ルパネル]、[システム]、([詳細設定])、[環境変数] で、WIndows 7 ではデス
クトップのコンピュータアイコンを右クリックして [プロパティ] を選択し、
[システム]、[システムの詳細設定]、[詳細設定]、[環境変数] で行います。

* GNUTERM が定義されていると、その値の名前の出力形式 (terminal) を使用
  します。これは、gnuplot 起動時に認識されたいかなる出力形式よりも優先
  しますが、初期化ファイル gnuplot.init で上書きでき (`help startup` 参
  照)、そしてもちろんその後の明示的な出力形式の指定で変更できます。

* 環境変数 GNUPLOT_LIB は、データやコマンドスクリプトの追加検索ディレク
  トリを定義するのに使います。この変数の値は、単一のディレクトリ名でも、
  区切り文字 ';' で区切られた複数のディレクトリリストでも構いません。
  GNUPLOT_LIB の内容は、`loadpath` 内部変数に追加されますが、`save` や
  `save set` コマンドで保存しません。詳細は 'help loadpath' を参照して
  ください。

* 環境変数 GNUFITLOG は、fit の結果を保存するファイルの名前を保持しま
  す。デフォルトは fit.log です。名前が "/", "\" で終わっていれば、それ
  はディレクトリ名であると認識され、そのディレクトリ内の "fit.log" とい
  うファイルが作られます。


知られているバグ
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新しいバグの情報については、バグ追跡システム

    http://sourceforge.net/tracker/?atid=102055&group_id=2055&func=browse

を参照してください。

今のところ、Windows 版に特有のバグが 2,3 あります。

  * バイナリデータのパイプ渡しが機能しない (Bug #2981027)
  * 描画 (または無限ループ) が、他のプラットホームのようには Ctrl-C で
  中断しない


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The gnuplot team, November 2011